日本放送作家協会九州支部です。
第十八回 南のシナリオ大賞の応募総数209編より選考の結果、受賞者がが決定致しましたので発表致します。
後日、第十八回 南のシナリオ大賞の特設ページにて、受賞式の様子や大賞作品のラジオドラマの公開及び各受賞者のシナリオを公開致しますので、引き続き当ウェブサイトをご覧いただけますよう、宜しくお願い致します。
南のシナリオ大賞
(敬称略)
受賞作品:「庭を見る二人」天見 ろね
この度は大賞に選んでいただき、誠にありがとうございます。
咲き誇るムクゲを見ながら考えた話です。
ほっこりしつつ、少しの不気味さも表現できれば、と思いながら書きました。
しかし、応募した後に、アレでよかったのだろうか、あそこはアレよりもああしたほうが……、と雑念がムクムクと。もう埋まっている何かを掘り起こすこともできません。
二次審査で講評を頂けたことがとても嬉しくて、アドバイスを生かして次も頑張ろう、と思っていた矢先の受賞のお知らせ、驚きと同時に喜びが湧き上がりました。
シナリオを書く楽しさを実感し始めたこの時期に賞を頂けて幸せです。
頭の中にしかなかった話が、オーディオドラマになり、誰かの耳元に届くことになるとは夢のようです。
審査して下さった皆様に心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。
優秀賞
(敬称略)
受賞作品:「私の声が嫌い」両角 美貴子
30代半ばまでフリーランスの構成作家として、東京のラジオ局・文化放送で番組を担当していた。
そんなある夜、疲れきって帰り支度をしていると、局内にラジオドラマが流れてきた。
帰宅することを忘れ、最後まで聴きいってしまった私は「いつか必ずラジオドラマを書こう」と決意したのだが、その夢を果たせぬまま、月日は流れ……。
現在、字幕の映像翻訳家としてドラマと関わっているが、自ら創作の道を歩み出したのは1年前。若き日の夢を託した作品が「私の声が嫌い」である。
実は私も主人公のように、中高生の頃は自分の声に劣等感を抱えていた。
その体験を基に、自分の声を好きになる、つまり自分を好きになる物語を書きたいと思った。
手話を取りいれたのは、チャレンジしたかったからである。
「手話を耳で聴く」ことで頭の中にイメージが広がり、ラジオドラマでも手話が描けると信じて書いた。
この試みを認めてくださった審査員に、深く感謝したい。
優秀賞
(敬称略)
受賞作品:「ファスナー」岸 朋楽
この度は本作を優秀賞に選出頂き、誠にありがとうございます。
本作は彼女の背中にファスナーがついているという突飛な設定に始まる物語です。
その事実を知った彼氏である主人公がファスナーを下ろしたいという欲求を抱え右往左往する様が描かれます。
ファスナーは誰しもが抱える秘密や心の傷をモチーフにしており、反面そういったものをつまびらかにしたいという浅ましくも率直な人間の欲求を登場人物に仮託して描いた作品です。
もちろん寓話ですが、寓話だからこそ描けるテーマ性と作品としての面白さの両立を目指して作りました。
色々と反省が残る作品ですが、結果的に本作のどこかは選考委員の方の心に届いたという実感は大変嬉しく思います。
これからもこれを励みに書き続けたいと思います。
最後に作品のブラッシュアップに協力頂いた創作仲間の皆さまに厚く御礼申し上げます。
以上、第十八回南のシナリオ大賞、各受賞者の喜びのコメントでした。
今回も多くの作品を応募頂きました。誠に有難うございました。
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